横浜の高台にある三角形の庭をリフォームする
横浜市鶴見区の住宅地、前面道路から少し階段を下りた静かな敷地に北欧をイメージさせる上質な建物が建っています。
建物の周囲をウッドデッキ状の通路が取り囲み、三角形の主庭には小さめのウッドデッキと草地が広がっています。
一日中日陰になる通路部分や、建物に囲まれた裏庭部分のウッドデッキは痛みが激しく、主庭側のウッドデッキについても修復するよりも作り直した方が良さそうな状態でした。
また、主庭となる三角形の草地部分を有効的に使えるように、植栽計画とウッドデッキの新設、防草処理などを行いました。
1. 既存の庭とウッドデッキが抱える問題点
三角形の主庭は、数本の高木と地面に広がる草によって少し荒れた雰囲気がありました。
また奥行きの小さな通路上のウッドデッキがあるものの、痛みが激しく、また使い勝手を考えると改善の余地がありそうです。
裏庭のウッドデッキについても同様に腐っている箇所が多く、床板が外れていたり下地が浮いている部分や、基礎の代わりにした縁石の上に乗っかっているだけ、という箇所もありました。
敷地自体が三角形のため、庭の手入れが難しく、なかなか手が付けられないというのが現状でした。
2. 三角形の敷地形状を生かした庭
ウッドデッキの形状は、敷地に合わせて三角形とすることでスペースを有効に使うことが出来ます。また、ウッドデッキの高さは、通常よりも低く設定しテラスのような落ち着いた雰囲気になりました。
ウッドデッキから1段下りた地面部分については、高耐久の防草シートを施工した上で、化粧砂利を敷き詰めました。
デッキ下の地面部分には、縁石状の御影石をウッドデッキの角度に揃えて配置し、デザインと使い勝手を考慮しています。
高低差の大きい庭の正面には、スチールのメッシュフェンスが設置されていましたが、安全性の向上と囲まれる事による落ち着き感を実現するために、木製フェンスを設置しました。
3. 整理をして使い勝手を上げた裏庭
裏庭の傷んだウッドデッキは撤去した上で、新たに作り直すことはせずに砕石を敷き詰める仕上げとしました。
もともとウッドデッキがあった場所でも、解体してみると地面のままの方が使い勝手が良い、ということはよくあります。
地面には防草シートを施工するため、雑草に悩まされることも無くなり、新たにウッドデッキを作るコストも削減出来ます。
裏庭などの目立たない場所で、なおかつ日々の管理が難しい場所については思い切ってコストを抑える事も大切です。
4. 密集した住宅地であることを忘れてしまう時間
日が落ちるとデッキ上に設置された船舶用ライトに灯が入り、庭全体をボヤーッと照らします。
光源が足元にあるためにそれほど眩しさは感じず、移動の際の安全確保にも役立ちます。
木製のテーブルと椅子を置いたデッキで静かにコーヒーを飲んだり、お客さんを招いてちょっとしたガーデンパーティーを行うこともあります。
薄暗くしたランタンの灯りの下で静かな時間を過ごしていると、ここが横浜市内の住宅地であることを忘れてしまいそうです。
道路から奥まった三角形の敷地は、そのままでは活用が難しい反面、デザインの考え方次第では、成形の敷地より変化に富んだ、広がり感のある空間にすることが出来ます。