Renovation
新たな庭に生まれ変わる意味
何でも古いものを壊して新しく作り変える「スクラップ・アンド・ビルド」の時代は昭和の時代まで。今あるものを再生し、より良いものになって使われ続けていくのが現代のスタンダードです。古くなったビルは素敵なホテルになり、使いづらい昔ながらの民家は快適でデザイン性にも優れた住宅に生まれ変わります。
一方で、庭についてはリフォームやリノベーションと言った言葉が的確なのかは微妙な部分もありますが、新たに生まれ変わる庭の中で生かせる植物や構造物は上手に生かし、どうしても撤去せざるを得なかった植物や石、レンガなどは別の方法で使われる。厳密に何でも残すという考え方ではなく、古いものを生かしつつ柔軟にデザインしていくことが庭のリノベーションだと思っています。
大きくなって持て余し気味の庭木、今の暮らし方に合わなくなった庭、生け垣に囲まれて暗くなった玄関、手間を掛けて大切に育ててきた庭だからこそ、新たな庭へ再生することが必要なのではないでしょうか。