広大な自然に囲まれた南信州の庭[計画編]
コンパクトで機能的な建物の周りにはとても広い庭、さらにその周りには広大な自然の風景。まさに、圧倒的な住環境です。
1.とにかく、いろいろな話をしましょう
メールでだいたいの様子は伺っていましたが、広い庭と周囲の圧倒的な景観は想像以上でした。未整備の庭は雑草が育ち、雑然とした印象というよりも、むしろ自然で景観の一部になっているように感じました。
最初の打ち合わせは、庭に対する夢や田舎で暮らす理由、困っている点、お金の話など、多岐に渡りました。ご夫婦の人柄を感じ、ものすごく温かい気持ちになりながら、設計の作業を進めることが出来ました。
施工までに何度も打ち合わせを重ねましたが、本当にたくさんのお話しをしました。庭づくりでも、家づくりでも、対話こそが一番大切だと、いつも思っています。
2.庭の将来像を目に見える形で
アトリエタムロでは、当面予定のない範囲についても、おおまかなデザインを行い、全体的な庭の将来像を絵にするところからスタートします。予定が変更しても、実現しなくても問題ありません。将来のイメージをお客さんと私が共有し、そこに向かって出来ることを少しずつ実現していく事が大切だと思っています。
もちろん、今回の庭についても全体的なスケッチを書き起こしていきます。
大きな面積をどのように扱うか、駐車場をどこに配置するか、など何枚ものスケッチを重ねながら一枚の配置スケッチにたどり着きます。更にここから話し合いを重ねて、庭づくりの優先順位を決め、最初の工事に入っていきます。
3.庭づくりの優先順位
優先順位を付け、その中で限られたコストを見据えて第一期工事の内容を調整していきます。とても悩ましいところですが、ここは思い切って決断をする事が大切です。今回の場合、庭づくりの優先順位として
①敷地周囲に木フェンスを設置
②快適なアプローチ空間
③薪小屋とウッドデッキの設置
という三本柱を挙げて頂きました。このうち、ウッドデッキについては次期以降へ見送ったものの、これで庭の骨格を形成することが出来ます。
この先、5年後、10年後を想定しつつ、最初の第一歩を踏み出します。