庭の雑草対策は、結局何がいいのか

庭の雑草対策は、結局何がいいのか

庭が広いのは良いけど、毎年春から秋まで雑草との戦いが続くと思うと、もう嫌になってしまう。多かれ少なかれ、どなたでも感じることだと思います。

雑草との戦いも人によって様々です。地道にコツコツと除草作業を続ける人、我慢の限界まで放置して一気に片付ける人、除草剤を満遍なく振りかける人。どの方法もあまり楽しい作業ではありません。出来ればやりたくない。

では、雑草との戦いを楽にするにはどうすれば良いのか。その方法は限られていて、大きく3パターン。

完全に生えなくするか。

生えにくくするか。

抜きやすくするか。

この中の方法を場所ごとに選び、組み合わせる事が、結果として一番最善の策だと思っています。

アトリエタムロでは、それぞれの庭の状態やご要望を踏まえた雑草対策をご提案しています。小さな面積でも、荒れてしまった状態でもお気軽にご相談ください。

1. 雑草を生えなくする

まずは、地表部を固めて物理的に生えなくする方法。当分はこれで雑草の悩みから解消されます。

しかし、施工精度の低さや経年劣化などが原因で、どこからともなく再び雑草が生えてくることは十分に考えられます。その場合、除草作業は結構大変になります。細かい隙間から出現する雑草ほど手強いものはありません。

①アスファルト舗装、コンクリート舗装

土間コンクリートクラック
土間コンクリートのひび割れ部や隙間から雑草が生えると除草しにくい

多くの住宅地では、駐車スペースにコンクリート舗装が施されている事が多く、雪の降る地域では庭全体がアスファルト舗装だったりします。

雨が降ってもぬかるみにならず、雑草も生えてこないので、これが一番だと思われがちですが。いろいろ問題点はあります。

施工費用★★☆☆☆ 舗装工事以外に掘削等の土木工事が必要

防草効果★★★★★ ひび割れ等がなければ防草効果は非常に高い

修景効果★☆☆☆☆ 変化がなく単調で固い印象の空間になる

耐久性能★★★☆☆ 施工精度によっては早期にヒビや汚れが発生する

総合評価★★☆☆☆ 防草効果が高いが修景効果が著しく低い

 

②レンガ舗装、インターロッキング舗装

インターロッキング
インターロッキングブロックによる舗装は多様なデザインが可能

住宅や店舗のアプローチや、公共空間の舗装に多く見られる舗装で、一般的にはレンガよりもインターロッキングブロックによる舗装がほとんどです。

通常、ブロックとブロックの間には砂が充填されますが、この隙間から雑草が発生することがよくあり、除草作業は簡単ではありません。

施工費用★★☆☆☆ 舗装工事以外に掘削等の土木工事が必要

防草効果★★★★☆ 施工後しばらくは非常に効果的

修景効果★★★★☆ 色彩やパターンに多様性があるが素材感が薄い

耐久性能★★★☆☆ 下地の施工精度によっては不陸が生じる

総合評価★★★☆☆ 防草効果は高いが雑草が発生すると抜きにくい

 

③防草シート+砂利

防草シートに錆砂利
防草シートを隙間なく敷いた上に厚さ5cm程度の化粧砂利を敷き込む

庭の通路部分や、裏庭、デッドスペースなどに用いられる事が多い手法です。化粧砂利を使って見栄えを考慮すれば、主庭の仕上げとしても使えます。

ただし、シートの素材と砂利の種類や厚みによって、防草効果と効果を発揮する期間に大きな差があります。

施工費用★★★☆☆ 仕上げ用砂利のグレードによって費用に幅がある

防草効果★★★★☆ 施工後しばらくは非常に効果的

修景効果★★★★☆ 化粧砂利を使うことで見た目の美しさも両立できる

耐久性能★★★☆☆ シートは丈夫で耐候性の高いものを使用する

総合評価★★★★☆ 庭の広い部分に適用可能で効果も高い

 

2. 雑草を生えにくくする

雑草は生えてくるけど、庭土をむき出しにしているよりは、断然生えにくい、という方法です。しかし、完全に雑草とお別れする訳ではないので、定期的な除草作業は必要になります。

①ウッドデッキの設置

ウッドデッキ下
ウッドデッキの下部は直射日光が入りにくく、雑草の繁殖が抑制される
ウッドデッキで食事やお茶を楽しむという目的以外に、雑草を減らすという隠れた目的があります。
デッキの下は日陰になり、雑草の繁殖をかなり抑えることが出来ます。デッキ下に防草シートを敷けば、更に効果的です。

施工費用★☆☆☆☆ 施工費用、材料費用が他の手法より高価になる

防草効果★★★★☆ 床材間隔を小さく、防草シートとの併用で効果大

修景効果★★★★☆ 庭の中のアクセントとなり修景効果も高い

耐久性能★★★★☆ メンテナンスによりデッキの耐久性は高くなる

総合評価★★★☆☆ コスト大だが、防草以外に多くのメリットがある

 

②庭木の植栽

庭木の足元
高木で日陰を作り、更に低木や地被植物を植栽して、雑草を生えにくくする

雑草は日当たりが悪ければ当然繁殖力が悪くなります。庭木によって日陰を作り、雑草の繁殖をコントロールすることは庭づくりをする上で必要な事です。

半日陰〜日陰で生育するグランドカバーや宿根草を木の足元に植栽すると、効果的です。

施工費用★★★☆☆ 庭木の種類や高さ、大きさによって異なる

防草効果★★☆☆☆ 日陰に強い雑草は防ぐことが出来ない

修景効果★★★★★ 庭木の植栽で美しい庭の骨格をつくる

耐久性能★★★★☆ 庭木を健全に育てることで効果が継続する

総合評価★★★★☆ 庭の美しさを高め、更に防草効果も得られる

 

③芝生張り、グランドカバー

地被による雑草防止
地被植物のヒメツルニチニチソウを植えることで雑草を抑制している
芝生やグランドカバーで地面を覆うことで雑草の発生を抑える効果があります。
しかし、手入れや水やりなどを怠って、芝生などが弱ってくると一気に雑草が繁殖し、手が付けられなくなります。あくまで、手入れや水やりを行うことが大前提になります。

施工費用★★★☆☆ 客土や植栽工事費用が必要だがDIYも可能

防草効果★★★★☆ 芝生等を健全に生育させることで防草効果が持続

修景効果★★★★★ 芝生やグランドカバーで庭の景色を作り出す

耐久性能★★★☆☆ 芝生等の状況によっては雑草が繁殖する事がある

総合評価★★★★☆ 費用対効果は高いが芝生等のメンテナンスは必須

 

3. 雑草を抜きやすくする

雑草を完全に生えないようにするのではなく、生えてきた雑草を抜きやすくする事で、大幅に除草作業の労力を減らす事が出来ます。雑草の抜きやすさは土の状態や雑草の密度によって抜きやすさが異なりますが、ここでは土の上に別の素材を被せたり、土と入れ替えたりする方法を紹介します。

①ウッドチップのマルチング

ウッドチップ
樹木の皮や幹などを粉砕した木チップで地面を覆う
公園の園路などで見られる、ウッドチップによるマルチングです。木の幹や皮を粉砕してチップ化したものを地面に敷き込んで、地面を覆うことにより、日光を遮断して雑草の発芽を抑える効果があります。
しかし、時間の経過とともにウッドチップの中に土が混ざったり、チップが腐って土になるため、数年ごとに補充や入れ替えが必要です。

施工費用★★★★☆ チップの原料や見た目の違いで価格に幅がある

防草効果★★★☆☆ 若干の雑草は生えるが非常に抜きやすい

修景効果★★★★☆ 天然素材のためナチュラルガーデンに最適

耐久性能★★☆☆☆ 数年で土状に変わるため入れ替えが必要

総合評価★★★☆☆ 歩行感が良く効果もあるが耐久性に難あり

 

②単粒度砕石+砂利

犬走り
建物周囲の犬走り部分に単粒度の砕石を充填し雑草の発生と泥跳ねを防止
建物の際部分で犬走りと呼ばれる部分があります。建物の基礎から1m程度の幅で建物を囲むように土をすき取り、代わりに粒の揃った砕石や砂利を充填します。これによって、雑草が生えにくく、生えても非常に抜きやすくなります。
また、雨天時の泥跳ね等によって建物が汚れるのを防ぐ効果があります。

施工費用★★★☆☆ 砕石費用以外に掘削工事や残土処分が必要になる

防草効果★★★★☆ 砕石の隙間に土が入ることで効果が低減する

修景効果★★★★☆ 建物周囲を美しく保つことが出来る

耐久性能★★★☆☆ 時間とともに土が流れ込み雑草が発生する

総合評価★★★★☆ 雑草の発生後も引き抜くことが容易