駐車場も庭のように使い、小さな庭を大きく見せる

駐車スペースとアプローチ

横浜市内の高台にある静かな住宅地。道路に面する間口に比べて、奥行きが深く細長い敷地。ここに親子3人が暮らす木造の2階建て住宅を計画から、駐車スペースや庭の施工までを全てお任せ頂きました。造園屋が、敷地が全くの更地の状態から庭づくりまで関われるということは、それほど多くありません。

訪れる度に熟成していく庭。いつまでも木の香りが心地よい家。

時間の経過とともに陳腐化するのではなく、どんどん馴染んでいくこと。これが庭や建築の本来あるべき姿なのだと思います。


1. 大きな土間のある家

玄関を広くする事は、おおらかでゆとりある家を実現する上で、とても大事だと思っています。

田舎のお屋敷に見られる贅を尽くした巨大な玄関みたいなものではなく、もっと実用的で多用途なもの。かつての土間のようなイメージです。

住宅内部は、地域材の柱や梁を見せつつ、あまり見せ過ぎないデザインを心掛けました。そして、庭と建築との関係をいつも想像しながら設計を進めます。

奥行きのある玄関

奥行きのある玄関は、極力余分な線を排除して、シンプルな納まりを心掛けました。

室内から見たフェンスと庭木

室内からの見え方を意識して、木製フェンスの高さや樹木の配置を決めました。

2. 駐車場は庭として扱う

近所の家を観察して見ても、ほとんどが土間コンクリート仕様の駐車スペースを道路側に大きく取って、庭の風情を感じることがありません。

もちろん、車を停めるスペースとしては、それが一番手っ取り早く、実用的なのですが。

しかし、限られた敷地の中で、せっかくの大きなスペースを庭として扱わないのはもったいないし、魅力的な街並みをつくる上でもプラスではないと考えました。

豊かな植栽と木や石を使った地面の仕上げによって、楽しげな駐車スペースが実現しました。

駐車場を庭として考える

主庭部分の奥行きが取れず十分な庭が確保出来ないため、駐車場部分も庭として考えています。

駐車スペースとアプローチ

玄関へ続くアプローチ通路と駐車スペースを、一体的な庭としてデザインしています。

3. 木製フェンスの効果

新築当初は南側が空き地になっていましたが、早々に住宅が建てられる事が想定されましたので、隣地境界とのには木製フェンスを設置しました。

場所ごとに高さや板の間隔を変えて、変化を出しつつ、同時に圧迫感を抑える工夫をしています。

奥行きの小さい庭では、特にこのフェンスによって空間の広がりを演出することが出来ます。また、木製フェンスは、隣家が完全に見えるメッシュフェンスなどと比べ、庭としての魅力や植物の見え方を大きく向上させる効果があります。

フェンスの考え方

場所ごとに高さや板の間隔を変えた木製フェンスのイメージ図

境界部分のフェンス

プライバシーを確保したい部分は板の間隔を狭めて、閉じた空間に。

4. 時間とともに魅力が増す庭

庭に植えられた木々は時間とともに成長し、そのボリュームを増していきます。これを、計画的な手入れによってコントロールし、常に良い状態でキープする事が大切です。

一方、木製フェンスや地面の仕上げに使う素材、庭に使用しているほとんどの素材は木や石、土などの天然素材です。時間とともに馴染み、深みを増していく素材こそ、自然で心地よい庭づくりには必要不可欠なものなのです。

コルテン鋼の表札

施工時点ではまだ黒い鉄板である表札、明るい色の木製フェンス

数年後の表札

数年が経過したコルテン鋼の表札は、茶色いサビに包まれ、風情ある印象に変化している

路地状の庭

路地状の庭には様々な植物が植えられ、室内に居ながらにして季節感を感じることが出来るよう配置している


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